出産までの軌跡・・・

病院に7時に到着し、その日1泊する病室に通されて手術着に着替えて待機。
病室は個室でシャワー、トイレ、洗面台つき。日本と同じで、いたって普通の病院の部屋。
担当の病棟看護婦がやって来て、手術の流れやら麻酔の希望、その他の処置をしてくれて、9時半頃にベッドに寝転がった状態で手術室に移動。


私はその日の帝王切開手術の2番目だったみたいで、手術室ではまだ最初の手術が継続中でドアを隔てた待機室みたいなところで30分位は待った。その間に私のMidwifeが合流したり、手術室から赤ちゃんの産声が聞こえたりしてました。
そして点滴用の血管を確保するための注射針の挿入をするために2人の男女がやって来た。説明によるとインターン?見習い?、要するに学生だ。女子の方が先輩みたいで彼女が説明をし、男子が実際に注射針を刺したりの実践をするみたい。
「え?学生・・・大丈夫?」と思ったが、「まぁ注射針刺すくらいならそんな難しいことでもないだろう・・・」と思って、彼がやる事に同意したものの、すぐに後悔した・・・・!!
だってこの男子、めちゃんこおどおどして、自信のかけらもない・・・こんな不安いっぱい、自信なさげな態度を目の前で見せられたら、こっちのが不安で不信感いっぱいになるっつーのっっ!!(怒)学生でもインターンでもなんでもえぇけど、せめて患者の前ではプロフェッショナルを貫け!!体はってるのはこっちなんだーーーっっっ!!
で、とりあえず実践開始・・・通常はみなさんご存知の通り、腕の肘の内側の曲がるとこ(なんて言う部位か不明)に、注射でも献血でも注射針刺すのが多いですが、私の血管は結構皮下の深い部分を通ってるので看護婦泣かせな訳で、案の定この自信0%の若造は自分には無理みたいなことを先輩女子に言って、結局手の甲(こういう場所は血管見え見えで刺しやすいが、さされる側は痛いし、内出血とかしやすいのだ)に刺すことに。もうそれだけでこっちはかなりブルー・・・だって点滴とかする用に丸一日は差し込みっぱなしなのに、めっちゃ邪魔な場所だし、しかも最初のうちだけだったけど痛いというかしびれがあって超不快・・・。


そしてようやく手術室に入って、手術台に座って、麻酔の準備。事前の説明でEpidural(硬膜外麻酔:無痛分娩によく使われるそうな)とSpinal(脊椎麻酔)の2種類から選べるみたいだったが、医者の薦めとほとんどの人が選択するというEpidural(硬膜外麻酔)でやることに。こっちのが麻酔の効果が顕われるまでに時間が少しかかるけど、効き目自体は長持ちするとか。
ちなみにジェマのときは(手順&効果の早さから推察するに)Spinal(脊椎麻酔)だったのだろうけど、麻酔に関して選択肢はなかったです。あったとしても全身麻酔にするくらいだったかも。
で、ですねぇ、ここで医学用語とかよくわかってない英語力とちょっと理解できてないときでも適当にわかったようなふりして受け流す適当な性格が災いしたのか(苦笑)、先ほどの若者2人組の女子のほうが麻酔も担当することが発覚!(女子で良かったとちょっと安心したり・・・)
彼らは麻酔医だったのか?血管確保とかの作業って日本だと看護婦さんとかがやってそうだから、彼らが麻酔医(の下っ端)だとは思いもしなかったよ・・・
結果・・・・最悪・・・私、泣きましたよ、痛くて・・・
というのも、この女子が何回も何回も何回も何回も何回も・・・・・失敗する訳ですよ・・・
詳しい事はわからんが要するに背骨と背骨の間の隙間から内部に注射針(麻酔針?)を差し込む必要があるみたいで、その隙間をピンポイントで命中してくれず、隙間を探すために針を刺した状態でぐりぐり周辺を動かしまくる!!!これが痛いというか、何とも不快な感覚で、こう直接神経をいたぶられてるような、通常生活で感じる痛みとは一味違う感じ。
多分7−8回は刺しなおしてぐりぐりを繰り返された・・・(涙)で、痛いからというわけではなく、単純に「なんでこんな目に・・・?!」って自分がかわいそうになりつつ、手術前の説明で聞いていた麻酔によるリスク(脊椎損傷系の)が頭をかすめて、「こんなに背骨のリスキーな部分を何回もぐりぐり素人(も同然?)にいじくりまわされて、歩けなくなるのでは?!」て恐怖も手伝って、鼻水だらだら状態で泣く私・・・。
そうこうしてるうちに、本物の麻酔医(熟練の先生か?)がバトンタッチしてくれた訳ですが、そこでもまだちゃっちゃと作業を進めてくれず、この期に及んでまだ若者達に説明しながら(まぁ教えなあかんのやろうけど)ちんたらやる。しかも最悪なことに、この先生も早業で易々とやってのけるってわけにいかなかったようで、少し隙間を探しながら、「この患者は小柄なアジア系だから、隙間が想像以上に狭くて難しい・・・・」って言い訳(苦笑)を繰り返しながら、なんとか終了〜♪
思えば、これが今回の帝王切開手術の山場だったような・・・・
ちゃんと歩けてますし、麻痺とかもないので脊椎損傷とかは大丈夫だったみたい♪


そして麻酔も効き目が顕われ、さくさくっとお腹を切られて、ポコンと息子を取り出されて、手術終了!
息子君、誕生直後にうまく呼吸が出来てなかったみたいで、酸素マスクつけられてました(私は縫合中で後で知らされたけど)
通常分娩だと狭い産道を通て出てくるときに、肺が圧迫されて、中に入ってた羊水が排出されるそうだが、息子君の場合はそういう自然な圧迫もなく、肺/呼吸器官にいっぱい羊水が入ってたせいらしいです。吸い出してもらってすぐに呼吸して泣いたから、全く問題なしでした。


「うぅ・・・さ、酸素・・・・」って感じのナイスな一枚(笑)